リレンザは抗インフルエンザウイルス薬として、最初に開発された治療薬ですが、吸入器という特殊な摂取法で使うのと、局所にしか効果がないことから、後発の錠剤タイプなどが優先的に使用されており、現在でも利用者が少ないのが実状です。
そのため、臨床試験での効果は分かっていても、実際に使用してどういった状況で副作用が発生するかの症例が非常に少なく、異常行動についても開発された当初ではまったく症例がないというものでした。
リレンザはザナミビル水和物の吸入剤で、もともと吸入器から喉の粘膜を通して吸収するタイプで、ノイラミニダーゼ阻害薬の中で作用機序は同じで即効性が高くても、全身に行き渡る内服薬とは違い、脳への作用が少ないのです。
その結果、副作用が少ないことが分かっているのですが、異常行動がないというのとは別問題となります。
異常行動が問題視された平成18～19年頃には症例がなく、話題に上げることもありませんでしたが、現在ではそれなりに処方されていることから、異常行動による報告も上がってきています。
具体的にはうなされる・うわごとを言うといった意識混濁のものが多く、たまに奇声を発したり暴れるなどのほか、最悪の場合は転落・飛び降りるといった異常行動も数例あります。
また、異常行動の例は日本国内で多くみられ、海外の報告では滅多に見られないもので、重篤な副作用はないと言われています。
これらの行動についてリレンザとの因果関係は不明なものが多く、一部の医者はインフルエンザそのものが原因ではないかとする意見もあります。
危険性はあるものの、インフルエンザの治療薬として使用できる薬もそう多くないものなので、親が監視するなどして、今後も薬と上手く付き合っていく必要があります。
リレンザによるめまいとエボラ出血熱
リレンザの副作用としては頭痛や下痢などがありますが、様々な症状があるとされているのでめまいを起こす場合もあります。
リレンザは抗インフルエンザ薬として多くの感染者に投与されているので、高齢者や小児、乳幼児などに関しては副作用が出る場合があるとされています。
専用の吸入器で吸入するタイプの薬なので、気道粘膜上皮に作用するので周囲に感染するのを防ぐことができます。
リレンザはウイルスの増殖を防ぐ薬なので発症してから2日以内に投与しないと効果がないとされているのですが、家族内に感染した人がいる場合には予防のために使うこともできます。
めまいは薬の副作用の他にも起きる要素が多いので、全てがリレンザの副作用とするのは難しいとされています。
疲れや自律神経の乱れによってめまいが起きることも多いので、とくに女性の場合には女性ホルモンによる影響があるとされています。
エボラ出血熱は主に西アフリカで感染が拡大しているウイルス性の感染症で日本では患者が確認されていません。
リレンザはエボラ出血熱には効果がないとされていて、人間の消化器から感染するタイプのウイルスなので新しいタイプの抗ウイルス薬を投与するしか治療の方法がありません。
エボラ出血熱は日本の周辺国でも感染者が出ていますが、予防方法は見つかっていないので衛生状態を良好に保つ以外に感染を防ぐ方法はありません。
リレンザはA型またはB型のインフルエンザに有効とされているのでそれ以外のウイルス感染症には効果がないことも考えられますが、気道などから感染するタイプのウイルスに対しては一定の効果が出る可能性があります。
しかしノロウイルスのように経口感染するタイプのものは胃腸で感染を広げるので効果はないとされています。
解熱後の体をインフルエンザから守る
インフルエンザウイルスは熱が下がっても2日間程度かけて排出されるので、熱がなく体調が良くなったからとすぐに通常通りの生活に戻ることは危険です。
インフルエンザは風邪と比べて症状が重いことが多いので、発熱中に体に大きな負担をかけており、解熱後もしばらくは安静にしておきます。
かつては風邪などの病気になると入浴を控えるのが一般的でした。
現在は入浴に問題はないとされますが、服を脱ぐことで体温を下げて体力が消耗することは避けます。
熱がなくても体温が上下しやすい入浴によって、インフルエンザをぶり返すことがあるため、長湯はしないようにします。
体に負担がかからない時間で、汚れを落としたりリフレッシュしたりします。
またインフルエンザにかかったらしばらくはお酒を控えます。
健康な状態と比べると水分の消費が増えるので、脱水症状になっている人が多いです。
この時にお酒などのアルコールを体内に取り入れると、余計に水分が奪われることで体調を悪化させます。
また薬を飲んでいる時の飲酒は、効果を半減させたり副作用を引き起こしたりします。
インフルエンザウイルスは解熱後も高い感染力を持っています。
咳が出る人は2週間ほど続くこともあるため、飛沫感染で周囲に悪影響を与えます。
インフルエンザを発症して5日が経過し、解熱して2日後までは会社や学校に行くことはできないという規定もあります。
仕事をしていると休んだ分の穴を埋めるために、無理をして出勤する人がいますが、感染を拡大することにつながるので自宅で休養します。
解熱後2日が経ってもマスクの着用をすることで、再びウイルスを増殖させることや咳を通して周囲にウイルスを撒き散らすことを防ぎます。