インフルエンザは、毬栗の様な形をしており、中央部のタンパク質の形でA型とB型、C型に分類され、A型とB型が人に感染するとされています。
A型ウイルスは、人や犬、ネコなどの哺乳類の多くが感染し、特に鴨などの水禽類や家禽類が多くの種類のA型ウイルスを保有しており、HA亜型16種類とNA亜型9種類が確認されています。
現在、人への感染したウイルスは、Aソ連型のH1N1型とAアジア型のH2N2型、A香港型のH3N2型の3種が確認されています。
鳥や豚から発生するインフルエンザウイルスは、人間や鳥類など動物ごとにレセプター（受容体）が異なる為に、原則として人に感染する事はありませんが、不連続変異により新しく出現したA型のインフルエンザウイルスによってパンデミックが引き起こされたと考えられています。
しかし、人間の気管支上皮細胞や肺胞上皮に鳥インフルエンザウイルスに対するレセプター（受容体）が肺の深部ある事から大量の鳥や豚のインフルエンザウイルスを体内に取り込むとウイルスに感染する事が確認されており、体内でウイルスの組み替えが行われ人から人へ感染するインフルエンザウイルスへと変異すると考えられています。
鳥や豚から発生したインフルエンザウイルスの危険性が高い理由は、H5亜型やH7亜型のウイルスの中には、毒性が非常に高い高病原性ウイルスが存在する事に加えて、鳥インフルエンザウイルス対する感染予防に有効な人用のワクチンが存在し無い事があげられます。
パンデミックまで至っていませんが、東南アジアや韓国、オランダなど各国でH5N1亜型やH7N7亜型の感染報告がされおり、H5N1亜型は感染症法における指定感染症となっています。
リレンザはアレルギー性ショックに注意が必要
リレンザは抗インフルエンザ薬として有名な薬ですが、2009年から2012年の間にリレンザを吸入した患者の何名かが副作用と見られるアレルギー性ショックを発症して、1名が死亡したということがありました。
どのようにして亡くなったのかというと、リレンザを吸入した数分後に呼吸困難の症状が起こり、手足が硬直状態になり、死亡したといわれています。
この亡くなった人は、もともと気管支喘息の発症歴があり、リレンザ吸入を行った日には発熱や感染性の胃腸炎などの症状があり、嘔吐もしていたともいわれています。
ですから、リレンザを吸入する際には、このような事態を防ぐために、いくつかの注意点があります。
その注意点としては、リレンザを吸入する際には、リラックスした状態で吸入するということ、強く吸入しないということ、息を長い間い止めた状態にしないことなどが注意点として挙げることができます。
また、喘息がある人は、喘息用の吸入薬をまず最初に使用してから、吸入を行います。
副作用としては、頭痛や食欲低下、吐き気、血圧低下、呼吸困難などの症状など、様々な症状が出る可能性があります。
特に、皮膚の違和感を感じるようなことがあれば、すぐに使用を中止して、病院に行くということが大事になってきます。
リレンザを吸入してはいけない対象者としては、リレンザに含まれる乳タンパクや乳糖成分に対して、アレルギー反応を示すような人を挙げることができます。
アレルギー性ショックを引き起こすと、死に至る可能性があるので注意が必要です。
特に、高齢者や妊婦、乳幼児に対する安全性は不明確な点もありますから、抗インフルエンザ薬としての使用は控えるようにします。
家族がインフルエンザになったらタミフルが有効
タミフルとはノイラミニダーゼという名称の糖タンパク質酵素を阻害する働きがあることで、インフルエンザ菌が増えることを防止できるインフルエンザ治療薬となります。
タミフルの主成分は「オセルタミビルリン酸塩」を配合していて、ノイラミニダーゼ阻害薬という種類の医薬品となります。
インフルエンザを発症してしまったときには、ウイルスの進行を防ぐことが大切になりますが、感染するよりも前に予防する目的で服用することも可能です。
インフルエンザ治療薬としては吸引タイプのものも存在していますが、タミフルの場合には傾向タイプの医薬品となっていることから、高齢者や幼児であっても簡単に服用できる点がメリットになります。
インフルエンザウイルスに感染してしまったときには、48時間以内に服用すればインフルエンザの発症期間を短くできますので、家族が感染してしまったときには、タミフルを服用することで被害を軽減することが可能です。
インフルエンザを発症してから、48時間以上経過した後にタミフルを服用したときには、有効性が確立されているわけではありませんので、ウイルスに感染してしまったときには、できるだけ早めに服用することがインフルエンザを早期に治療することになります。
ウイルスに感染してから長い時間経過してしまったときには、医療機関に医薬品の処方を受けに行った場合であっても、タミフルの処方を受けられない場合があります。
一般的には、インフルエンザを発症したときの特効薬という認識も持たれていますが、種類によっては効果が出ない場合もあることを把握しておく必要があります。
タミフルの有効性が確立されているものは、インフルエンザの種類の中でもA型とB型のみとなっており、C型に感染したときには治療の効果は期待できません。